プロジェクトのはじまり

2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震で、大崎市の古川地区では地震の揺れによる被害が発生しました。 そして、地震後の調査で古川地区内でも場所により被害の程度が違うことがわかってきました。 この違いは様々な原因によるものと考えられますが、我々は地震の揺れが場所によって異なっていたのではないか、と考えました。

古川地区には地震後に震度を発表するための地震計が2箇所あります。 大崎市古川北町の防災科学技術研究所による地震計と、大崎市古川三日町の気象庁による地震計で、 およそ1kmほど離れたところにあります。 そして、2箇所の地震計は東北地方太平洋沖地震の揺れを記録していました。 記録を調べてみるとその揺れ方には違いがあって、その違いと建物被害の違いとには関係があるように思われます。

そこで、我々はすでにある地震計の周辺に、さらに密に地震計を設置することを考え、 「古川高密度地震観測プロジェクト」を立ち上げました。 今まで分からなかった、きめ細かな揺れの違いが分かるのではないか、と期待しています。

プロジェクトメンバー

大崎市、京都大学、東京工業大学、株式会社aLabの共同プロジェクトとして運用しています。 そしてまた、地震計設置に協力頂いている古川地区の方々も大切なプロジェクトメンバーです。

大崎市 http://www.city.osaki.miyagi.jp/

京都大学 防災研究所 http://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/
(担当:後藤浩之

東京工業大学 文部科学省グローバルCOEプログラム
(震災メガリスク軽減の都市地震工学国際拠点) (http://www.cuee.titech.ac.jp/
(担当:盛川仁)

株式会社 aLab http://www.alab.jp/

地震観測について

古川地区の中心部、およそ2km×3kmの範囲に現在35台の地震計が稼働しています。 1台でおおむね0.2km2をカバーしていることとなり、これは世界最密クラスの観測です。 (→ 地震計の配置はこちらをご覧下さい) これを実現したのは、IT強震計と呼ばれる小型で安価な地震計によるところが大きいです。

IT強震計コンソーシアム http://wwweic.eri.u-tokyo.ac.jp/ITKyoshin/consortium/

地震計はプロジェクトに協力頂いている方のお宅に設置しています。 設置箇所は屋外のたたきや犬走りを基本としていますが、状況に応じて小屋内などの場合もあります。

地震計で記録されたデータは、常時接続のインターネット回線介して遠隔地(大学内)のサーバーへ転送しています。 このため、現地でデータを回収することなく常時モニタリングできるシステムとなっています。 インターネット回線と地震計との接続には、ワイヤレス無線LAN(Wifi)、PLC、および有線LANのいずれかを状況に応じて使用しています。 なお、時刻校正のため、GPSによる時刻同期を行っています。

プロジェクトに参加するためには?

大崎市古川地区にお住まいの方であれば、誰でもプロジェクトに参加できます。 ご協力にあたって必要なことなどをまとめていますので、まずはこちらをお読みください。

古川高密度地震観測への協力のお願い [PDF]

本プロジェクトは、大崎市、京都大学、東京工業大学、株式会社aLabの共同研究によるものです。